2006年03月29日

「知的財産推進計画2006」の策定に向けた意見募集に対する意見

知的財産戦略本部が行った「知的財産推進計画2006」の策定に向けた意見募集に対して次のような意見を行いました。

内閣官房知的財産戦略推進事務局 御中

知的財産推進計画2006に盛り込むべき政策事項

● 知的財産教育の推進 
  知的財産推進計画2006には、引き続き「幼少から大学の各段階における知的財産教育の推進」を提言として盛り込むことを提言する。特に「知的財産権(著作権)」とは何か、何が権利侵害かといった「知識の獲得」に留まることなく、実際「知的財産権(著作権)を体験する」というカリキュラムの開発、指導者の育成を図ることを期待する。
 教育現場の教員は、デジタル機器の発達や、情報ネットワークの急速な普及に伴い、著作権・知的財産権をめぐる広範な問題に直面している。さまざまなメディアを介し、児童・生徒や教師が使いたい情報はあふれている。その情報を「権利者がわからないから他者の著作物は使わない」という姿勢で捉えることは社会の現状にそぐわない。
 そこで、2006年には、他人の著作物(知的財産権)を活用しつつ、自らの創造活動を展開させることを目的とした教育活動を支援するために、次のような具体的活動を提案したい。


『利用を規制する著作権学習』から『積極的に利用する著作権教育』へ

・教育環境の充実 
 1 教員対象の知的財産権の講義等の充実とともに、児童・生徒と教員の双方が参加する体験型の著作権教育の実施
 2 教育関係者の中心窓口の設置。
  *現在、教育関係者の声を取りまとめたり、権利者との交渉に立つ中心的な組織は存在しないと言ってよい。各都道府県教育委員会の中にでも、「知的財産権」の利用についての問題を専門に扱う中心的役割を担う組織の設置が急務であると考える。

・教育現場と権利者団体との連携支援
 1 教育目的、学習目的に限定した使用許諾料、申請スキームの作成。
 2 簡便な申請と迅速な許諾のためのスキーム。
 3 著作物利用についての権利者団体(権利者)、教育関係者(利用者)との定期的な話し合い。
  *一部権利者団体の中には、学校教育あるいは学校での著作物利用についての規定を設けているところもあるが、多くは個別交渉をしなければならない。現場の教員にはそのような時間的な余裕も、高額な使用料を払う経済的余裕もない。そこで、より簡単で早い申請スキームについて検討すべきではないだろうか。申請スキームの利用のしやすさは、著作物の積極的利用を促すことにもつながると思われる。
  *このスキームの開発はシステムの構築と言うことではなく、既存のシステムを利用しながら、利用者-権利者間での交渉の一環として検討されるべきである。

・実用的なガイドライン、ヘルプデスクの創設支援
   教育現場が求めているのは、専門知識を自らが身につけることではなく、迷ったときに質問できる専門家の存在である。各権利者団体にはそのような窓口は存在するが、すべての教員が権利者団体に問い合わせをすることは非現実的であるし、教員の使用する著作物は多岐にわたるため、ひとつの権利者団体に問い合わせるだけでは回答にたどり着かない可能性が高い。そこで、教育現場における著作物利用全般について対応する専門のヘルプデスクを設置し、ヘルプデスクを介して各権利者団体への問い合わせ、場合によっては交渉等を行うことを提案する。
   合わせてこのような広範にわたる専門知識(実務知識)を身につけた人材の育成が必要である。
   このようなヘルプデスクの開設までの期間は利用状況に応じたガイドライン等の作成によって、広く著作物利用について教員に啓蒙する。但し、ガイドライン作成に当たっては、権利者だけではなく利用者である教員の意見を広く取り入れ、かつ、利用するためにはどうすればよいかと言うスタンスにたつ必要があると考える。
   教員の意見については、まずは上記教育関係者の中心窓口の設置が急務である。
                              以 上

posted by 著作権教育フォーラム at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 提言
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