2006年09月24日

著作物の(二次的)利用 その12〜学校における著作物利用と権利処理(6・完)

 権利者と許諾先が見つかれば後は交渉と申請だけですから、権利処理としてはほぼ終了です。といってもここで交渉が決裂すれば権利処理は失敗になりますので、最後のつめということになります。

 先にも述べましたが、JASRACのような著作権等管理事業者に管理委託されている場合は、応諾義務がありますから、規程の申請書を送るだけです。注意が必要なのは順番です。
 まず、すべての著作物利用に当たり、利用の前に交渉し許諾を得なければなりません。映像作品等の編集が全て終了してから、使用した著作物について申請するのではないことに注意してください。
 それ以外の順番では、楽曲を使うときに注意が必要です。
 著作権等管理事業者には応諾義務がありますが、それはあくまで、音楽の場合であれば作詞と作曲の権利だけです。楽曲をCDから録音して利用した場合は、CDの権利(CDを原盤として使用した)ということで、レコード会社の許諾が先に必要になります。この点はJASRACのホームページにも注意書きとして記載されていますから、一度確認してみて下さい。
 では、交渉はどのようにすすめていくのかといいますと、権利を持っている人と話をするということだけです。権利者が個人であれば、直接交渉ですし、会社であれば担当部署(たいがい法務部)となります。交渉の際重要なのは、相手の必要とする情報を整えておくということです。必要な情報とは以下のようなもので、これは音楽に限らず、どのような著作物を利用する場合にも相手方にとって必要となる基本事項です。

●<著作物についての基本情報>
・使用したい著作物のタイトル  (楽曲名、番組名 等)
・著作物についての詳細
(楽曲の収録されているアルバム名、トラック番号、アルバムのレコード番号(カタログ番号)、番組の放送日、放送時間、放送局 等)
●<使用についての基本情報>
・学校名、氏名…
・使用目的…
(例)学校のHP に載せる…(バナー広告の有無、リンク先等も伝えると良い)
映像作品の一部に使う…有償/無償、複製枚数、頒布方法(どこにどのような形で配るか)
放送コンテストに出品する…これは放送コンテストの規程フォーマットがあると思いますのでそちらも参考にしてください。
・使用する方法、場面等・・・どのようなシーンでどういう風(意図)で使うかを簡単に説明する。
(例)諸岡諸島の紹介に使う
・使用秒数…まだ確定してない場合は、おおよその見当の秒数でも結構です。

 これらを総合勘案して諾否が決定されます。特に交渉先にとって重要でありながら、依頼者が見落としがちなのが、使用方法、場面等についての詳細です。どのように使用されるのかというのは権利者にとってはとても気になるところですので、この点についてはわかりやすく説明できるようにしておくことが肝心です。
 また、権利者から送られてくる申請書に記載する情報もほぼこれと同じです。規程の申請書がない場合には、これらの情報を順に記載すれば、申請書を作成することが出来ます。
 後は許諾され、使用料等条件が見合えば支払いをして使用するということになります。

 以上が著作物の利用を希望してから、実際に利用できるまでの流れです。長きにわたって記載してきましたが、ようやくすれば「交渉する」ということにつきます。学校教育においての著作物利用は「例外」なので、交渉をせずとも使用できますが、学校が例外だと言うことを覚えておいていただければ、普通誰しも行うことであるとご理解いただけるのではないかと思います。
 権利処理はけして難しいものではないので、是非挑戦していただき、学校に於いても著作物利用を積極的に進めていただきたいと思います。
 
(E)
posted by 著作権教育フォーラム at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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