2006年09月15日

著作物の(二次的)利用 その11〜学校における著作物利用と権利処理(5)

 前回は音楽や文芸の著作物の権利者のように団体所属の方の場合の権利処理についてお話してみました。では団体に所属していない権利者とどうやってコンタクトを取るのか。
 これはもう、あらゆる情報からその人の手がかりを探して、本人に行き着くしかありません。・・・もう、探偵みたいなものです。
大体権利処理というのは、この人探し、つまり許諾先ですが、を探すことに終始します。これが権利処理の8割みたいなものです。
正直なことを言えば、私たちのような権利処理が実務の人間でも権利関係がつかめないことがよくあります。古い番組やニュース映像を利用するとき等は本当に大変です。特に著作権ではないz肖像権、つまり人の顔が映っている場合はどうすべきかかなりもめます。
 著作権法では、一定の公告等をはかり、相当の努力を払ってなおその権利者を見つけられない場合は、文化庁に供託を求めることが出来ます。但しこれも供託金を払うので、そうまでしてなおという場合以外はあまり利用しません。確か国会図書館が児童書の分館を造ったときに絵本の作家や挿絵を描いた人の捜索にこの方法を活用したような覚えがあります。
 今まではこの供託制度は規定はあるけどなかなか使われていませんでした。というのも、「一定の公告」「相当の努力」というのがどの程度かというのが分からないので、万が一にもクレーム(?)がついたりした場合のリスクを考えると、なかなか私企業ではそこまで踏み込むことが出来ないというのが理由ではないかと思います。私どもでも何度か権利者が分からず「供託制度利用しましょうか」という議論はするのですが、最終的にそれを使ったことはまだありません。但し、数年前から(社)著作権情報センター(CRIC)が、著作者不明の著作物の使用について、著作者を探していることを告知するページを自社のHP内に立ち上げています。
といってもこれは最終手段ですので、普通はいろいろな方法で権利者を探します。
 権利を持っている人を探すポイントですが、次のような部分をまず参考にします。

○(C)マーク : (C)2006 TARO.Ltd. All rights reserved
このマークは、マルシーマークといって、©=コピーライト(著作権)を持っている人をあらわします。
2006は、この作品が公表されたのが2006年であること、TARO.Ltd はTARO という会社が権利を持っていることをあらわしています。

○(P)マーク : (P)2006 TARO.Ltd
こちらはCD のジャケットなどにかかれており、マルピーマークといいます。
最初の発行年とマスター音源を持っている会社をあらわしています。

○エンドクレジット
放送番組から映像を使う場合などは、番組の最後の「エンドクレジット」が役立ちます。たとえば…
「制作」「制作・著作」=この作品を制作した会社=権利者。
「資料提供」「協力」 =素材を貸したところ=権利者。
例:「CG提供:太郎社」=番組で使っているCGは太郎社が作成=権利者。

○インターネットで検索してみる
最近は情報が発達しているので、何らかの情報にはヒットするようです。但しそれが必ずしも正しい情報であるかということは、確かめる必要があります。

 こういう風に申し上げると、ずいぶん当たり前のように思われるでしょうが、なかなか思いつかないものなのです。こういう地道な作業がしかし確実に次のステップにつながるのです。

 さて、これでようやく権利者/許諾先が見つかりました。後は申請するだけです。次回はこのシリーズの最終回として申請の仕方についてお話したいと思います。

(E)
posted by 著作権教育フォーラム at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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