2006年08月16日

著作物の(二次的)利用 その10〜学校における著作物利用と権利処理(4)

<実際の権利処理と具体例>
 具体的な事例から権利処理というものを見てみましょう。
例えば、修学旅行の歌詞集を作成して学年の人数分複製して配るとしたらどうでしょう。

 修学旅行自体は学校カリキュラムに組み込まれていることであれば、第35条の「授業の過程」の範囲となろうかとおもいます。ところが、JASRACのホームページでは、許諾を取らなければならないとあります。そこで、許諾を得ないといけないという前提で、手続きをご紹介しましょう。
 楽譜や歌詞の掲載はJASRACの規程では「出版区分」に該当しますので、その申請を行い、使用料を払うということになります。
 歌詞・楽曲がJASRACの管理しているものであれば、JASRACの規程に沿って申請し、使用料を払います。
 使用料は使用目的、定価の有無、複製部数等に応じて決められています。学校で配布するもので定価はなく、部数も2500部以上にならなければ、JASRACの規程に沿うと、1曲につき歌詞、楽譜それぞれ1800円の使用料で使用できるということになります。また、場合によっては同規程の但し書きが適用され、減額される可能性も考えられます。
(但し確認しないと言い切れませんので、機会があればJASRACにお尋ねしてみようと思っています。)

 さて、実際の権利処理は、1.費用、2,対象、3.方法 の3つの点から考えます。
 本当は対象が一番先なのでしょうが、最初からべらぼうに高いと分ってる素材の使用ははずしておくこともテクニックでしょう。但し交渉の余地があるという場合は使用料についても交渉の対象として留保します。
 2の対象ですが、これは当然著作物ということですが、そのほかに人のプライバシー、肖像権に関わるものも権利処理の対象となります。
 3の方法は、対象と若干かぶりますが、誰に、どうやって、どんな権利を、処理するのかと言う点、そして注意すべき点は何かという事で、このことによって処理の範囲を限定していきます。
 以上のことを踏まえて、次のステップで権利処理を進めます。
 1.著作物、その他権利を特定し、著作物の権利者を探す。
 2.交渉、申請書を送付する。
 3.許諾後、使用料支払。使用料の額に応じてここで使用を断念することもあります。
 4.使用する。必要に応じて使用報告書を提出する。

 著作物が先ほどのJASRACのような団体(著作権等管理事業者といいます)が管理している場合ですと、前述のとおりある程度決まったフォーマットに則ればスムーズにいくものです。
 特に音楽の著作物は権利処理も権利管理も歴史が長いですから、ノウハウの蓄積もあり、権利処理の対象としては非常に楽なものです。
音楽の著作物の場合、著作権等管理事業者に権利を預けている方ですと、実は申請すれば外国曲を除いては原則必ず使用できます。
 著作権等管理事業者というのは権利を一括して管理するのと同時に、管理している著作物の利用については、許諾しなければならないと言うことになっています。これを応諾義務と言います。
 従って楽曲などを使用するときにJASRACのメンバーだと実は権利処理は大変楽なのです。

 では、著作権等管理事業者に預けていない権利者はどうすればよいでしょうか。
 次は著作権等管理事業者のない著作物、あるいは著作権等管理事業者に権利を預けていない権利者を探し出すことからお話したいとおもいます。

(E)

posted by 著作権教育フォーラム at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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