2006年07月28日

著作物の(二次的)利用 その8〜学校における著作物利用と権利処理(2)

<権利処理が必要のない場合>
 では、早速権処理の必要がない場合というのを申し上げましょう。
 具体的には、次に言う場合は著作権法の例外、つまり著作権の権利制限に該当する行為ですので、権利処理の必要がありません。
 著作権法第35条第1項に該当する、複製=授業に使用するために著作物を複製、コピーすること。コピーには、録音、録画も含まれますし、インターネット上の著作物をPCにダウンロードすることも「複製」に当たります。調べ学習で生徒がインターネットから文献等を探し出しダウンロードして利用するというのは、この35条に該当する行為となるわけです。他に先生が授業で利用するため新聞記事をコピーして配布するという行為も該当します。但し、コピーについては、コピーの数量に注意が必要となります。
 次に同時遠隔地授業のための公衆送信の場合、これはA大学の授業をB高校で同時に配信して、B高校の生徒も授業を受けるというような授業の過程においての場合です。この場合は「同時」と言うことが重要です。
 これ以外の公衆送信、つまりネットにアップロードすることは許諾が必要ですので、たとえフォローアップのつもりで授業の様子をサーバに保存しておくなどするのは、この範疇には入りませんので注意が必要です。
 この様な学校での利用においては、必要の範囲内においてですが、例えば、英語の文献を原文では解らないので先生が翻訳して生徒に配ったり、まだ習っていない漢字を仮名になおすというような翻案して利用することも、権利者の許諾を必要としません。
 学校の授業でビデオを視聴したり、教科書の朗読や、語学テープの再生、校内放送で音楽をかける等、これらは第38条の「営利を目的としない上映等」に当たります。「上映等」ですので、上映、演奏、上演、口述という無形的な利用法が全てこの条項に当てはまります。
 他に入試試験の問題作成は36条「試験問題としての複製等」で認められる行為です。
(詳しく知りたい方は著作権法30条から50条にかけてを参照してください。)

 このように、教育目的という事で色々優遇されますが、「著作権の制限に該当」しないような利用の場合は、原則として商業利用の場合の権利処理と同じ手続きを踏むということになります。この手続きがつまり権利処理になります。
 権利処理が必要となる場合は
  1. 著作権法の例外に該当しない場合
  2. (さらに)権利者の権利を不当に害する場合。
  3. 目的外の利用の場合。
 となります。

 では、次回は権利処理を必要とする場合について考えてみたいと思います。

(E)
posted by 著作権教育フォーラム at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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