2008年06月07日

『スタディ・スキル入門――大学でしっかりと学ぶために』 (有斐閣ブックス) が、発刊されました。

先日、有斐閣より、「スタディ・スキル入門−大学でしっかりと学ぶために」
が、発刊されました。
これは、兵庫県立大学で、学部・大学院共、全学で使用するテキストです。「何を学ぶのか、何を研究するのか」に始まり、最終的に自分の意見を論文やレポートにまとめるために、どのようにすればよいか、ということを丁寧に記述したものです。
教科書ですから、真面目な書籍ですが、大学生と言わず、社会人にも一読していただきたい内容です。
さて、この中で、わたしは、「第6章 レポートの作成」という章の中の「オリジナリティとは」という節を担当いたしました。
学校の課題を、何故コピー&ペーストしたレポートで済ませてはいけないのか。いや、倫理的なところを質せば、分かるはずではあるのですが、そこをふまえつつ、オリジナリティを大切にする、と言う視点から、著作権について、解説いたしました。自分の創造した部分と、他人の創造した部分を混同しないこと、他人の意見を自分のもののようになりすまさないこと、これが著作権の基本です。この本は、著作権(法)についての解説の本ではなく、あくまで「学習のための技術、技法」を習得するための本ですから、学習のアウトプットのために、気をつけなければいけない一つとして、著作権を取り上げています。
著作権については社会全体の意識の向上(行きすぎた権利保護も含めて)により、侵害行為には非常に厳しい視線が向けられています。
「学校だから良いと思った」という言い訳は当然に通用しませんが、報道される著作権侵害のニュースを見ても、学生(児童生徒含む)はどうも、その意識があるようです。何とはなれば教員もですが・・・。
レポートは「著作物」です。レポート作成のために参考にした文献も、著作物です。まずそこに気がつくこと、コピー&ペーストでないレポートを作成するために自分がどれほど苦労したか、創意工夫した表現、創造がどれほど大変だったかということを、自分の中で、改めて考えて欲しいと思い、「オリジナリティ」という視点から解説いたしました。そしてそれこそが著作権法が守らんとしているところであり、文化の発展への第一歩だと思うからです。
全くのオリジナルな創造物など、ほとんど無いでしょう。皆、先人の智慧の下に広がっているのです。先人の文化をふまえつつ新たな創造となるのが、オリジナルという考えであり、それが著作権として保護されている、そんな風に自分の創作行為(それはポート製作でも良い)から著作権を考えるきっかけになればと思っています。
皆さんも「オリジナリティ」という視点から、著作権について、考えて頂ければと思います。

天野明弘・太田勲・野津隆志/編
『スタディ・スキル入門――大学でしっかりと学ぶために』 (有斐閣ブックス)
A5判並製カバー付,256頁,定価 2000 円(税込 2100 円)
ISBNコード 978-4-641-18366-7
2008年6月刊

posted by 著作権教育フォーラム at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版物紹介