2007年01月07日

「青空文庫」と著作権保護期間の延長

 著作権の保護期間が切れた文学作品を、有志の方がテキストデータにしてUPしている「青空文庫」というサイトがあることは、既に広く知られるところとなったと思います。「青空文庫」では延べ670名をこえるボランティアの方々の好意によって6000余りの作品がネットで公開出来るようになっています。この「青空文庫」が著作権保護期間の延長に反対する誓願署名を進めています。(http://www.aozora.gr.jp/shomei/
 現在の著作権の保護期間が著作者の死後50年(除く法人名義、映画の著作物)であるところを、「欧米並の」死後70年へ延長することについての検討は、先回も触れましたが、様々なところで話題にされ議論されています。
 この議論は権利者だけではなく、利用者側からも沢山の意見が出されており、非常に興味深い議論となっています。また、権利者の中にもこれまでの保護期間延長絶対賛成という流れから、延長の必要は感じないとする意見や、例えば「クリエイティブコモンズ」といった新しい考え方へ賛同し活動されている方も多くいらっしゃいます。著作権保護期間の延長という問題は、技術の発展、特にインターネットという伝達方法が手軽に利用できることで、利用者と権利者の垣根が低くなった今日だからこそ、権利者利用者それぞれの立場から、真剣に考えるチャンスなのかも知れません。
 署名をするか否かはともかくですが、著作物のあり方、利用のあり方についてそれぞれの立場の意見を参考に、考えてみては如何でしょうか。例えばバンド活動をしているなら、既存の楽曲だけでなく自分たちでも作詞作曲するでしょう。その曲は既存曲やクラッシックの旋律に触発されて創作することもあるでしょう。「星の王子様」の著作権保護期間が切れたことで、いくつもの新訳本がでました。フランス語が読めなくても複数の翻訳者の訳を読み比べることが出来、原本のニュアンスに近づけるかも知れません。
 古典を題材に新しい作品が生まれることは「ロミオとジュリエット」と「ウェストサイドストーリー」等いくつもありますし、普遍的主題を様々に表現することで多くの素晴らしい作品が存在しています。 絶版になってしまった作品でも著作権保護期間が満了となれば「青空文庫」のように誰でも手に入れられるようにすることが出来ます。そこに影響され新たな創作者として自分たちが活躍するかも知れません。
 著作権は文化の発展のための「権利」です。その権利の延長は何を意味するのか。自分たちの身近な事に置き換えて考えてみませんか。

(E)
 
posted by 著作権教育フォーラム at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム